含み損を抱えたまま、チャートを眺めて「戻ってくれ」と祈った経験はありませんか。僕は何度もあります。
あのとき足りなかったのは、根性ではなく数字でした。「あと何円下がったら、いくら負けるのか」が頭に入っていないから、損切りの判断ができないんです。
そこで、ポジションを入れるだけでレートごとの損益が一覧で出るツールを作りました。損切りレート、ロスカットの目安、ナンピンを足したときの変化まで、注文する前に確かめられます。

登録もダウンロードもいりません。この記事の中でそのまま動きます。
このツールでわかること
入力するのは、通貨ペア、売りか買いか、lot数、建値の4つだけです。今のレートと口座の証拠金は、入れても入れなくても動きます。
- レートごとの損益:建値から10銭・50銭・1円刻みで、いくらの得か損かを一覧で表示
- 損切りレート:「ここまでなら負けていい金額」から、逆指値を置くレートを逆算
- ロスカットの目安:証拠金を入れると、強制決済されるレートの目安を表示
- ナンピン・買い増しの影響:追加の注文を最大10個まで入れて、平均建値やロスカットがどう変わるかを比較
スプレッドも差し引いて計算します。通貨ペアを選ぶと、DMM FXの公表スプレッド(2026年9月28日時点)が初期値として入るので、使っている口座の値に書き換えてください。
使い方は3ステップ
- 通貨ペア、売りか買いか、口座の1lotが何通貨か、lot数、建値を入れる
- 「ここまでなら負けていい金額」を入れて、損切りレートを確認する
- ナンピンや買い増しを考えているなら「+ 追加の注文を足す」で入れて、変化を見る
1lotが何通貨かは口座によって違います。1lot=10,000通貨の口座もあれば、1,000通貨の口座もあります。ここを間違えると損益が10倍ずれるので、取引画面で確かめてから入れてください。lotの考え方は「ロットとは」で詳しく書いています。
損切りレートは「金額」から逆算する
損切りができない人の多くは、レートで考えています。「149円を割ったら切ろう」と決めても、実際に割ると「148.9円ならまだ戻るかも」と線を動かしてしまう。
金額から決めると、この逃げ道がなくなります。「この1回で負けていいのは1万円まで」と決めて、ツールに入れる。出てきたレートに逆指値を置く。それだけです。
山登りで言えば、「14時になったら、どこにいても引き返す」と決めておくのと同じです。山頂が見えてから考えると、人は必ず「あと少し」と言ってしまいます。

負けていい金額の目安は、口座資金の2%くらいから始めるのがおすすめです。考え方は「FXの資金管理|2%ルールで破産しないトレード」にまとめています。
【★ちきトレ実体験要記入★ 損切りを金額で決める前と後で、何が変わったか。線を動かしてしまった失敗談があれば具体的に】
ナンピンを入れる前に見る3つの数字
ナンピンは、建値より不利なレートで同じ向きの注文を足すことです。平均建値が有利になるので、少し戻れば損が消えるように見えます。
ただし、見えにくい代償が3つあります。ツールの比較表では、この3つが並んで出ます。
| 見る数字 | ナンピンで何が起きるか |
|---|---|
| 平均建値 | 有利になる。少し戻るだけで損が消えるように見える |
| 数量 | 増える。同じ1円の値動きで、損益も同じ倍率で大きく動く |
| ロスカット目安レート | 近づく。必要証拠金が増えて、強制決済までの余裕が減る |
例:ナンピン1回で、ロスカットが約10円近づく
ツールの例の数字で見てみます。米ドル/円を150.000円で1lot(10,000通貨)買い、証拠金は20万円、ロスカットは維持率100%の口座という設定です。スプレッドは0.2銭で計算しています。
ここに、149.000円で1lot(10,000通貨)のナンピンを足すとこうなります。
| 項目 | ナンピンなし | ナンピン後 |
|---|---|---|
| 平均建値 | 150.000円 | 149.500円 |
| 数量 | 10,000通貨 | 20,000通貨 |
| 147円まで下がったときの損益 | −30,020円 | −50,040円 |
| ロスカット目安レート | 135.419円 | 145.315円 |
平均建値は50銭よくなりました。その代わり、建値150円から見たロスカットまでの距離は、約14.6円から約4.7円に縮んでいます。ナンピンが「2回目の損切りの先送り」になると、口座が一気に危なくなるのはこのためです。
もう1つ、ツールが警告を出すケースがあります。負けていい金額を1万円にすると、ナンピン後の損切りレートは149.002円です。149.000円のナンピンはそれより下にあるので、約定する前に損切りに届きます。つまり、その金額のルールのままでは、このナンピンは入れられないということです。

ナンピンが悪いのではなく、「損切りを決めないナンピン」が危ないんです。足す前に、ツールで損切りレートとロスカットが両方どこに来るかを見てください。
ナンピンの考え方そのものは「ナンピンとは」、ロスカットの仕組みは「ロスカットとは」で解説しています。
【★ちきトレ実体験要記入★ ナンピンで痛い目を見た、またはナンピンをやめた経験があれば。そのときの数量・値幅・結果】
スプレッドも損益に入っている
このツールは、注文するたびに「スプレッド×数量」のコストがかかるものとして計算しています。米ドル/円で0.2銭のスプレッドなら、10,000通貨で20円です。
小さく見えますが、ナンピンや買い増しで注文の回数が増えるほど、コストも積み上がります。スプレッドの仕組みは「スプレッドとは」をどうぞ。
計算のしかた(自分で確かめたい人へ)
ツールの中身は、次の計算だけです。電卓でも同じ答えになります。
- 損益(円)=(決済レート − 平均建値)× 数量 − スプレッド × 数量(売りは決済レートと平均建値を入れ替える)
- 1pip(1銭)あたりの損益(円)= 数量 × 0.01
- 必要証拠金(円)= レート × 数量 ÷ 25(個人口座のレバレッジ25倍)
- 証拠金維持率 =(証拠金 + 含み損益)÷ 必要証拠金
ロスカットの目安は、維持率がロスカット水準まで下がるレートを逆算しています。ロスカットの判定方法は会社ごとに違うので、目安として使ってください。証拠金と維持率の関係は「証拠金とは」、pipsの数え方は「pipsとは」で解説しています。
よくある質問
入力した数字はどこかに送られますか?
送られません。計算はすべて、見ているブラウザの中だけで行います。ページを閉じると入力内容も消えます。
ユーロ/ドルなど、円が後ろにつかない通貨ペアにも使えますか?
使えません。このツールはクロス円(米ドル/円、ユーロ/円など)専用です。ユーロ/ドルのような通貨ペアは損益がドルで出るため、円に直す計算が別に必要になります。
表示されたロスカットのレートで、必ず強制決済されますか?
必ずではありません。ロスカットの判定方法や、必要証拠金の計算に使うレートは会社ごとに違います。また、相場が急に動いたときは、ロスカットのレートより不利な価格で決済されることもあります。余裕を持った目安として使ってください。
スワップポイントは計算に入っていますか?
入っていません。スプレッドだけを差し引いています。ポジションを何日も持つ場合は、スワップポイントの受け取りや支払いで損益が変わります。
損切りの金額はいくらにすればいいですか?
口座資金の1〜2%から始めるのがおすすめです。20万円の口座なら、1回あたり2,000〜4,000円です。この金額をツールに入れて、損切りレートが近すぎるなら、lot数を減らして調整します。
まとめ
- 損切りできない原因の多くは、「どこまで下がったらいくら負けるか」が見えていないこと
- 損切りはレートではなく金額で決めて、ツールで逆指値のレートを出す
- ナンピンは平均建値をよくする代わりに、数量を増やしてロスカットを近づける
- 注文する前に、損切りレートとロスカット目安の両方を確かめる
まずは今持っているポジション、または次に入る予定のトレードで、損切りレートを1回出してみてください。
【★ちきトレ実体験要記入★ 締めのひとこと。このツールを作った理由や、自分ならどう使うか】
FX口座をこれから選ぶ人は、「FX口座の選び方&開設手順|初心者向け完全ガイド」も参考にしてください。損切りが苦手な理由を心の面から考えたい人には「損切りができない心理の克服法」がおすすめです。

